ついにファイテン・ビーチバレー・JBVツアー2007第5戦福岡オープン最終日。降
りしきる雨は早朝に上がり、第1試合目が始まる頃には晴れ間が覗いた。そんな絶
好のビーチバレー日和となった福岡県のシーサイドももち海浜公園で男女準決勝
と決勝が行われた。
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女子準決勝第1試合は、西堀・浅尾ペア対藤原・駒田ペア戦。第1セットは、西堀
・浅尾ペアがトスの低いコンビネーション攻撃でリードを広げれば、藤原・駒田
ペアが粘りの攻守で追いつく一進一退の攻防が展開された。しかし、終盤に差し
掛かると西堀・浅尾ペアのサーブレシーブが崩れてなかなか攻撃が決まらない。
西堀・浅尾ペアはディフェンス面でも藤原の緩急つけた攻撃に翻弄され、藤原・
駒田ペアが20−19と逆転に成功しセットポイントを握った。最後は西堀のスパイ
クがラインを割り、藤原・駒田ペアが第1セットを先取した。第2セットは、サー
ブが有効に決まり始めた西堀・浅尾ペアが息を吹き返し、藤原・駒田ペアを突き
放す。空中戦でも西堀が高さを発揮し、第2セットは21−13と西堀・浅尾ペアが奪
い返した。最終セットは、第2セットのリズムそのまま西堀がネット際の勝負を制
すなど、西堀・浅尾ペアが11−9とリード。しかし、藤原・駒田ペアは脅威の粘り
と強気の攻めで得点を重ねていき、12−12と追いつく。ここから両者互いに相手
コートの穴を狙った壮絶な地上戦
が繰り広げられるが、西堀・浅尾ペアのコースの甘くなった攻撃を拾いまくりミ
スを誘った藤原・駒田ペアが4連続得点で逆転し、決勝への切符を掴み取った。第2
戦東京オープン以来、2度目の決勝進出を決めた藤原は「とにかく落としてたまる
か、と気持ちで負けなかったから勝つことができた」。下位に沈んだ第4戦東京オ
ープン時より、攻撃の決定率がアップした駒田は「沖縄の吉田カップで優勝して
コツを掴むことができた。パニックにならず冷静に試合運びができた」と勝因を
語った。
一方、最大のチャンスを活かせず、またしても決勝進出が叶わなかった西堀・浅
尾ペア。浅尾は「ミスしてもいいから…という強い気持ちでスパイクを決めてい
けなかった。相手のほうがそれができて私たちは守りに入ってしまった」と敗因
を語った。
女子準決勝第2試合は、楠原・佐伯ペア対田中・小泉ペア戦。今季の戦績(ツアー&
マーメイドカップ)は、7戦中4戦がフルセットゲームとなり、楠原・佐伯ペアが5
勝を挙げている。第1セット序盤は、田中・小泉ペアが6−3と引き離すが、中盤か
らじりじりと楠原のサーブと佐伯のディフェンスが噛み合い、16−14と逆転。そ
のリードを保ち、楠原・佐伯ペアが先取した。ちょうどその頃、空が曇り始め風
が強く吹き始めたが、そんな中強いサーブと安定した速い攻撃で9−3と楠原・佐
伯ペアが大量リードを奪う。田中・小泉ペアは第4戦東京オープンのようなキレが
この試合では見られず、なかなか点差を縮めることができない。楠原・佐伯ペア
は第2セットを21−16と奪いストレートで決着をつけた。宿敵田中・小泉ペアに対
し通算6勝目を挙げた楠原は「昨日はフルセットにもつれ込んだので、今日は出だ
しから集中して臨んだ結果だと思う」。佐伯は「田中・小泉ペアは崩れていたの
で調子がよくなかったと思う。相手がどういうことをしてくるかわかっている
ので、それより自分たちが崩れないように心掛けた」と勝因を語った。
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決勝は、藤原・駒田ペア対楠原・佐伯ペア戦。楠原が「勢いに乗せたら怖い相手
」と試合前に語っていたとおり、第1セット序盤から藤原・駒田ペアは格上の相手
に対しキレのある精度の高いショットを仕掛けていく。けれども楠原・佐伯ペア
はそれ以上攻撃の隙を与えず、第1セットを10点、第2セットを11点に押さえ、圧
勝で最終戦を制した。優勝する度に涙を流してきた佐伯は「昔は優勝が当たり前
だったけど、引退してから復帰して、ようやく優勝が定着するようになってきた
」と笑顔でヒーローインタビューに応えた。今季の最終戦を終え楠原は、「北京
で結果を残すためにあと1年弱、ケガのないようにいい調整をして五輪に乗り込め
るように、シード権を早めに取りたい」と来季に視線を向けた。
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男子準決勝第1試合は、白鳥・朝日ペア対西村・森川ペア戦。第1セットは、序盤
から白鳥・朝日ペアがリードを奪い、西村・森川ペアを14点に押さえ先取した。
第2セットは出だしから西村・森川ペアの攻守にリズムが出始め、12−9とリード
。しかし中盤以降は朝日と白鳥の芸術的な2段攻撃が決まるなど勝負所を制し、17
−16と逆転。強風の中、森川の速いトスがぶれ、朝日のブロックの餌食になるな
ど、西村・森川ペアは18−21で力尽きた。
準決勝第2試合は、渡辺・山本ペア対高尾・仲矢ペア戦。地元・九州で大舞台に上
がった高尾の気合い十分のプレーで高尾・仲矢ペアが序盤12−9とリード。しかし
中盤に渡辺が仲矢の攻撃をシャットアウトし18−16と逆転すると一気に第1セット
を先取した。第2セットは序盤から渡辺・山本ペアのサーブとブロックが機能。10
−7と高尾・仲矢ペアを引き離すと、危なげない戦いぶりで21−14で初の決勝進出
を決めた。腰の状態がよくなってきたという山本は「日に日にチーム力も上がっ
てきた。技術的にも精神的にもつながってきて勝負できるようになった。決勝戦
は失うモノはないので攻めていく。白鳥・朝日ペアの5連覇を阻止したい」と意気
込みを語った。
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決勝は、白鳥・朝日ペア対渡辺・山本ペア戦。序盤から朝日と山本のレフトの打
ち合い、朝日と渡辺のブロック合戦など両者互角の戦いを繰り広げる。渡辺・山
本ペアがミスの少ない安定したプレーでラリーを制し4度のセットポイントを握る
が、25−25の場面で朝日が山本のスパイクをブロック。その後も山本のスパイク
がアウトとなり、27−25で白鳥・朝日ペアが第1セットを逃げ切った。渡辺・山本
ペアは、第1セットを落としたが攻守ともに白鳥・朝日ペアに引けをとらないプレ
ーで第2セットの主導権を握る。ワールドツアーから帰国後、失セット0を誇って
きた白鳥・朝日ペアを16点に押さえ、第2セットを奪取した。迎えた最終セット。
朝日がこの試合4本目のブロックを決めて白鳥・朝日ペアが、10−6とリードを奪
う。しかし山本のサーブポイントや渡辺のブロックで渡辺・山本ペアは4点のビハ
インドを跳ね返し、10−10の同点に追いついた。この均衡する場面で渡辺・山本
ペアは、サーブミス、サーブレシーブでお見合いするなど凡ミスが続き、2点差を
つけ
た白鳥・朝日ペアが15−13と激戦を制した。あと一歩の所で敗れた渡辺は「終始
主導権を握ることができたけど、終盤もっと攻めることができればよかった。せ
っかくチームがいい状態になってきたのにこれで今季が終わってしまうのかと思
うともったいない。来季のことはこれからゆっくり考えていきたい」と振り返っ
た。一方、史上初の全大会制覇を成し遂げた朝日は「非常に厳しい戦いで内容的
には100点はつけられない。相手のほうがいい力を発揮していたと思う」と勝ちは
したが、反省点を述べた。今大会ですべての国内外の戦いは終了。来季の北京五
輪予選に向け、白鳥は「4年前はランキングも上位に食い込めず五輪に行けなかっ
た。今回は今年一年でボーダーラインの付近までこれた。単発の勢いではなく、
今年の成績をどう来季につなげていくかだと思う」と来季に向けて4年分の想いを
語った。
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頂上決戦にふさわしい観客を魅了するスーパープレーの連続だったファイテン・
ビーチバレー・JBVツアー2007第5戦福岡オープン最終日。最後は3冠を飾った楠原
・佐伯ペアと5冠を達成した白鳥・朝日ペアが、表彰台においてシャンパンで祝杯
を挙げ、チャンピオンたちは勝利の美酒に酔いしれた。
取材・文/吉田亜衣(ビーチバレーマガジン)
